2016年12月14日水曜日

俳優柄本明さんのトーク 浄智寺「長屋紳士録」上映会

12月8日に湘南遊泳座主催による「みんなの小津会」というイベントがあり、その一部として浄智寺で小津安二郎監督「長屋紳士録」が上映された。上映後に俳優柄本明さんと小津組山内静夫プロデューサーの対談を聞いた。柄本さんはご自分の劇団「東京乾電池」で「長屋紳士録」を舞台化されている。小津さんのご家族もご一緒された。上映後のトークを最前列で聞いた。とても幸福な土曜日の午後。

笠智衆さんは他の小津作品でも、「寅さん」シリーズの御前様としてもなじみがある。飯田蝶子さんも「若大将シリーズ」の雄一のお祖母ちゃんとして知っている。「長屋紳士録」はそういう先入観を打ち破ってくれる。笠さんのうたうのぞきからくりの唄の場面が面白い。上映会ではゲストの柄本明さんのトークの他に、劇団「東京乾電池」で舞台化された「長屋紳士録」から同じ唄の場面も上映された。再演されたら観に行きたい。

柄本さんのトークはとても味わいがあった。ご自分の舞台の話とか出演映画の話から、相米慎二監督の思い出話となった。柄本さんの出演映画として「セーラー服と機関銃」と「二代目はクリスチャン」の予告篇も上映された。どちらも相米監督の作品。柄本さんの思い出話が「あいつは同じ歳だったのに初めから態度がでかいんだ。食えないもんだからその後結婚した女優さんに世話になっていて、撮影所にふらっとやってくる。その女優さんは「またゴキブリが来た」と言っていたんだよ」。「ある日その監督が映画を撮ったという話を聞いてね。それを観てびっくりしたね。才能があると思いましたよ。その女優さんもそれからは「うちの先生が」って言うようになったんだよね」。愛情に満ちた回顧話をお聞きした。



 

0 件のコメント:

コメントを投稿