2014年10月5日日曜日

ニキータ・ミハルコフ監督「太陽に灼かれて」

この映画は名優でもあるミハルコフ監督の1994年の作品だ。アカデミー賞最優秀外国語映画賞とカンヌ映画祭審査員特別グランプリ賞を受賞した。

ニキータ・ミハルコフとオレック・メンシコフというロシアを代表する二人の俳優が真っ向からぶつかりあう映画で、見応えがある。草原を戦車隊がやってくるのをミハルコフ演じる休暇中のコトフ大佐が止める場面、季節は夏でテラスでくつろぐコトフの家族と友人たちの場面、10年ぶりに舞い戻ってきたメンシコフ演じるピアニストが今はコトフ大佐の妻となっているかつての恋人マルーシャと再会する場面。どれもすばらしい。

このとてつもなく美しい田園風景が延々と続く映画はいったい何の物語なのか?やがて隠されていた様々な秘密が解き明かされていく。圧倒的に美しく、重苦しい映画でもある。ロンドンでも東京でもこの物語は舞台化された。話が複雑なので観るたびに新しく気がつくことがある。文句なしの傑作だ。

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