2014年10月6日月曜日

蔵方政俊監督 映画「Railways  愛を伝えられない大人たちへ」

機中で観る映画というのはこれまでの経験でも良い作品が多い。この三浦友和主演の映画(2011年)もシブイ。42年勤めあげた主人公とその人間関係が抑えた調子で描かれる。先日ご逝去された米倉斉加年さんが先輩として語る。「この先の人生は短いと思うとるじゃろう。長いぞ。これからの時間は」。余貴美子さんが演じた50台半ばの妻は健康診断で腫瘍が見つかった。再検査結果は良性だったが彼女は考える。「このまま死ぬのかと思ったら、こわくなったがよ」。

「わたしも自分の人生を生きてみたいがや」と妻に言われた主人公は考える。「自分にも別の人生があったのだろうか」。主人公にも高校生の頃写真家になりたい夢があった。仁科亜季子さん演じる昔の彼女と偶然再会して酒を飲む。定年を迎える年齢になっても悩みは多い。わずかに残された時間を自宅で過ごしたい老婦人を演じる吉行和子さんが語る。「男なんて夫だと思うとしゃくにさわるし、疲れる。ペットだと思えば良いがよ。」 最近同じようなことを言われた記憶があるのでびっくりした。


0 件のコメント:

コメントを投稿