2014年10月3日金曜日

「刑事ジョン・ブック」と「推定無罪」 ハリソン・フォードの魅力

ハリソン・フォードと言えば70年代の「スター・ウォーズ」のソロ船長、80年代の冒険者インディ・ジョーンズ、90年代の愛国者ジャック・ライアンと男の中の男を演じ続けた。次第に渋味を増していった点が高倉健と共通している。この人の主演した作品で好きなものを一本だけ選ぶとすれば1985年のピーター・ウィアー監督「目撃者 刑事ジョン・ブック」だ。1986年から2年間住んだフィラデルフィアが出てくることもあって思い入れが強い。とても美しい作品だ。

ハリソン・フォードが銃撃を受けて故障した車を納屋で修理している場面がある。アミッシュのヒロインが様子を見に来る。車のラジオからこの歌が流れてくる。二人は歌に合わせてステップを踏む。ヒロインを演ずるのは当時売り出し中のケリー・マクギリスだ。映画「トップ・ガン」の超かっこいい教官として覚えている人は多いはずだ。このすてきな二人が何故結ばれて幸せになってはいけないのか?観客の心をぐぐっとつかんで放さないために決まっている。「カサブランカ」も「哀愁」もそういう風に輝き続けている。西部劇の名作「シェーン」を想起するとコメントをくれた人がいる。なるほど。ケリー・マクギリスの目チカラがすごいと指摘した人がいる。鋭い。

ハリソン・フォードはアラン・パクラ監督「推定無罪」(Presumed Innocent, 1990年)にも主演した。この映画の原作者として有名になったのがスコット・トゥローだ。つれあいが当時タイム誌東京支局で働いていた。ヒーレンブラント支局長からサヴィッチシリーズ2作目の「立証責任」(The Burden of Proof)を借りて読んだのもこの頃だ。この作家はシカゴでの検事補としての経験をもとにした作品をたくさん書いた。「訴追期限」(Limitations, 2006年)、「無罪」(Innocent, 2010年)もベストセラーになった。売れっ子作家である現在も法律家としての活動を続けている。


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