2014年10月3日金曜日

ジュゼッペ・トルナトーレ監督「鑑定士と顔のない依頼人」

「鑑定士と顔のない依頼人」(2013年)のイタリア語の原題は「最高のオファー」である。英語のタイトルも「the Best Offer」と直訳されている。2013年後半に日本で公開され、週刊誌やブログの映画評が取り上げていた。沢木耕太郎が絶賛している。「2度観ると味わいが変わる映画」と書いていた。すぐアマゾンで注文した。実に面白い。最後のどんでん返しがあるので、結末を知った後で始めからもう一度観たくなる。この主人公に起きたことが果たして幸なのか、不幸なのか2度か3度観て考えたくなるかも知れない。沢木耕太郎の映画評のブログは他のも面白い。

この映画のトルナトーレ監督と映画音楽の名匠エンニオ・モリコーネのコンビは他にも「ニュー・シネマ・パラダイス」と「海の上のピアニスト」を作っている。10年、15年とインターバルをおいて制作した3作品ともがかなり話題になるのは共通のテーマを扱っていることもある。「ニュー・シネマ・パラダイス」のトト少年が30年ぶりに帰郷する。そして彼の生き方に影響を与えた初恋物語の大きなサプライズを知ることになる。「海の上のピアニスト」で観客は主人公の恋の成就を願い応援するが、最後にサプライズを味わう。「鑑定士。。。」では主人公のシブイ生き方に共感を覚え始めた観客は、やはりサプライズで突き放される。突然のようにやってくる人生の選択が3作に共通したテーマだ。もしも別の選択をしていたらどうなったのだろう?2回や3回観たところで答えは出ない。永遠のテーマである。

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